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第32回多文化間精神医学会学術総会

大会長 大塚公一郎(自治医科大学看護学部)

このたび、第32回多文化間精神医学会学術総会を2026年1月11日(日)に、WEB開催させていただくことになりました自治医科大学の大塚公一郎です。副会長の駒橋徹(清和会鹿沼病院)、事務局長の田村雄志(桜通り心理療法オフィス)と共に身を引き締めて取り組んでまいります。

4年近くにわたり世界を震撼させたコロナ禍の問題が一応の鎮静化をみて、世界は安定に向かうのかと思いきや、ウクライナやガザ地区にみられる国家間・宗教間・民族間の紛争、対立は一層激しさを増し、社会的分断の深刻化、貧富の格差(格差社会)の拡大、地域共同体の離散や弱体化はさらに進行するなかで、温暖化の影響も示唆される地球規模の気候変動、洪水、巨大地震などの自然災害の頻発があり、私たちの未来への懸念をいやがうえにも高めています。

そのようななかで、難民や移民、被災者、ステイグマ化される病いの患者さんなど様々なマイノリテイの立場にある人びとの精神医療や支援を行う多職種の専門家や研究者、ボランテイアとの連携・協力を行ってきた本学会に寄せられる社会からの期待と使命は、一層、大きくなっています。そのため、今回の学術総会では基調テーマを「レジリエンスの多様性と協働を求めて」としました。そこには、当事者・当事者集団の内発性を尊重しつつ、差異をもつ多様な個人や集団との協働はどうあるべきかという問題意識がこめられています。

学会の当日は、基調テーマに関連したシンポジウムや一般演題発表が予定されており、活発な議論を通じて新たな視点と参加者同士の貴重な出会いと連帯が生まれることを期待しております。

JSTP 2025